
旅行のことばかり書いてるわたしですが、ブログのタイトルにするくらいには刺繍も好きなんです!
見るのもするのも好きなんですが、そんな刺しゅう好きの心に刺さる【刺繍が描かれてる】おすすめのマンガをご紹介します!
もくじ
刺しゅう好きがオススメするマンガ【乙嫁語り】
正直、今更わたしがオススメしなくてもみなさんご存じかもしれませが、森薫先生の『乙嫁語り』をご紹介します!
この作品はぜひ紙媒体で見ていただきたいです。
まずね、紙が良い。
表紙は加工がしてあって、手に取れば手触りが違うのが分かるんですが、表紙を一枚めくったら品のあるボルドー色の厚紙を一回挟んで本編がはじまるんです。
良いですよね。
安いマンガじゃない、出版社が作品をリスペクトしてるのが分かります。
内容については後述するのですが、書き込み量が半端じゃないので、これで本体価格620円は破格です!
掲載途中で媒体の漫画雑誌が変わってるんですが、単行本の装丁を変えないでいてくれたエンターブレインと角川には感謝です。
ざっくり紹介 ストーリー(ネタバレなし)
お話の舞台はユーラシア大陸の中央、中央アジアです。
結婚式ではじめて夫婦が顔を合わせたシーンからはじまります。
旦那さんは12歳のカルルク
お嫁さんは20歳のアミル(表紙の子)
19世紀後半の当時は、15-16歳が結婚の適齢期だったそうです。
そんな二人の暮らしと、中央アジアの生活を描いた作品です。
巻が進むと物語の主役が別の人に移るのですが、基本のスタイルは同じ。
そこで生活する人の『日常』をつづった物語です。
ちなみに、刺しゅうのお話がはじめてメインにくるのは2巻の『布支度』
当時の嫁入り道具には『たくさんの布』が必要で、その布すべてに刺しゅうを施すんですって。
だから『布支度』
結婚が近くなったら花嫁衣裳にかかりきりになるから、幼いころから少しずつ、こまごまとしたものは揃えるんだとか。
適齢期が15歳頃なので、きっと本当に小さいころから準備したんでしょうね。
物語の舞台、中央アジアってどこ?
ふーん、おもしそうだね。興味あるけど中央アジアってどこだっけ?
ということで、中央アジアとはどの辺なのかを確認してみると、今のウズベキスタンやカザフスタン、キルギスなどの〇〇スタンが多い地域を指します。
シルクロードだった地域です。
地図のピンは一か所を指してますが、ざっくりその辺と思っていただければ。
アジアとヨーロッパ・ロシアをつなぐ地域です。
そこでの生活が丁寧に描かれているんです。
いや、本当に丁寧に。
ざっくり紹介 作者の森薫さん
森さんは書き込み量が多く、丁寧に描くことでも有名な漫画家さんです。
これはもうフェチの域。(ほめ言葉)
森さんを有名にしたのは、ヴィクトリア朝のイギリスを舞台にした漫画『エマ』です。
この『エマ』、メイドと貴族の恋愛漫画と紹介するのが正解なんですが、どこからどう見ても『メイドを描きたかった人が描いた漫画』
『ヴィクトリア朝のイギリスを舞台にしたメイド(と貴族の恋愛)を描いたマンガ』が正解な気がするんです。 笑
また、時代背景や調度品も、好きだからとことん調べて描いたのだろうことが、あとがきから伝わります。
この情熱、森さんは研究者気質なんじゃないのかな、と思うほどです。
正直、エマの時は表紙の絵柄が好みじゃなくて食わず嫌いをしていたのですが、とてももったいなかったです。
知り合いに貸してもらって何気なく読んだら、なんで絵柄が好みじゃないなんて思ってたのか分からなくなるほど、絵柄の魅力に度肝をぬかれました。
絵に色気があるんです。
メイドを主人公にした森さんのマンガは他にもありまして、『シャーリー』がそうですね。
エマみたいなシンデレラストーリーじゃなく、素朴な日常のお話なんですが、実はわたしはシャーリーの方が好きで。
恋愛マンガやシンデレラストーリーが好きな方は『エマ』、日常を描いた漫画が好きな方は『シャーリー』ですかね。
あ、でも一番好きなのは【乙嫁語り】です!
【乙嫁語り】もそうなのですが森さんの作品って、所作ひとつに大ゴマ数カット使ったり、会話がないまま数コマ、数ページ進むなんてことはざらで。
絵だけで伝えるって相当の力量がなければできませんよ。
森さんの描かれる所作や目線、髪の毛の動きはマンガのワンシーンと言うよりも、1枚の絵のように感じます。
小手先の手法とかじゃないんですよ。
森さんは、きっとプロの漫画家じゃなくなったとしてもマンガを描き続けるんだろうな、って思える方。
だから、『描きたいシーンを描いてる!』感がすごく伝わってきて、読んでいる方もそれでのめり込んじゃって。
『自分のマンガの1番のファンはわたし!だって、好きなこと描いてるんだもん!』という勢いが、あとがきからも伝わってきて、そんな人が描いている作品なのでいっぱい愛に溢れてるんです!
使ってる紙へのこだわりからも、それが伝わるんですよ。
お話の中の刺しゅうについて
さて、この記事のタイトルに戻るんですが、このマンガは『刺しゅう好きが恋するマンガ』だと思うんです。
森さんは、衣装や時代背景に対する研究(執着)や女性の表現がとても繊細で丁寧です。(ほめてる)
例えばこのシーン
刺しゅうの刺し方のご本かな?
ってくらいの細やかさじゃないですか。
縫い目を同間隔で描くなんて、わたしなら気が遠くなってしまいます!
なのにほんとうに丁寧…ため息が出ちゃいますよね。
これも『布支度』のシーンで、布支度真っ最中のティレケ(記事トップにある画像の女の子)に、ひいおばあちゃんが代々の柄を教えてあげてるシーンです。
柄はその家々で受け継いでいき、母の柄、祖母の柄があった様です。
また、厄除けや幸運を祈るお守りみたいな柄もあって、赤ちゃんへの贈り物はそういった刺繍が施された『すっごい守護されてる完全武装品』なんだとか。
面白いですよね。
このお話の後から、ちょいちょい刺しゅうの風景や、刺しゅう中のお話が出てくる様になります。
ティレケは刺しゅうの才能があるんですが、アミルの友人のパリヤは全然で、みんなで刺しゅうをがんばろう!と奮闘(?)するお話とかも追々。
最後に、このシーンをご紹介。
このシーンって、まさに森さんの描きたいこと、切り取って形にしたい部分の本質じゃないかなぁと思うんですよね。
馬に乗って狩りをして、刺しゅうをしてパンを作って、だれかを好きになって一緒に生活して。
この『乙嫁語り』はそんな【ありふれた当たり前の、でも貴重な日常】が描かれています。
わたしはあまりマンガを紙媒体では買わないんですが、手元に置いおきたいと全巻揃えてるほど好きな作品です。
ご紹介したマンガ
今回ご紹介したマンガはこちらです。
乙嫁語り未読の方は、とりあえず2巻まで読んでみてください!
きっとハマるはずです!
【乙嫁語り】
【シャーリー】

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