
今回は、そもそも『統合失調症』ってなに?どんな病気なの?という疑問を、家族の視点からお答えしていきます。
わたしと統合失調症に関しては、前回のこちらの記事をご覧ください。
統合失調症ってどんな病気?
統合失調症については、厚生労働省のこちらのページが詳しいです。
素人の情報ほど恐ろしいものはないので、基礎知識は信頼性の高い機関がアナウンスしている、正しい情報をご覧ください。
注意
統合失調症の症状は千差万別です。
以降は、あくまである患者のある家族から見た『たくさんある例のうちのひとつ』とご理解ください。
さて、100人に1人がかかるといわれている『統合失調症』
数字からみたら珍しい病気ではないですよね。
ですが、
統合失調症のボーダーラインはどこからなの?
統合失調症は完治するの?
統合失調患者の社会的復帰はどうなの?
どうやって関わっていけばいいの?
かかる予兆はあるの?
など、精神疾患全般にいえることですが、その内容はあまり知られていません。
統合失調症がどんな病気か?といえば、『100人に1人の割合でかかる精神疾患』というのが答えです。
ただ、症状は人や進行度によって大きく異なります。
症状が軽ければ、
最近ちょっと様子がおかしい
夜あまり寝れてないみたい
独り言やネガティブ発言(またはポジティブすぎる発言)が目立つ
この程度のことだったりします。
違和感は感じつつも、『そういう時もあるかもね(様子見しよう)』の域を出ない状態です。
しかしそこから徐々に、妄想や思い込みが激しくなり、頭の中の誰かと常に会話している状態になります。
正論など通じず、病院に行くことを嫌がったり、心の声のままに行動するようになります。
鉢植えを買ってきたかと思えばバラまいたり、掃除しようとしたらとてもキレたり。
とつぜん歌いだしたかと思えば、これが気に食わないと物を壊したりします。
急に10年以上前の過去のことを思い出して怒ったり、特定の人に対する執着を見せたりします。
手紙やメール、贈り物を人に送りつけたり、突然人の家に訪問したりするなどします。
手紙やメールも、相手を気遣う内容かと思えば恨み節に転じたり、関係ないことに口を出したりなど、見ていて気持ちのいい内容ではなかったです。
これらは段階があり、段々と症状は悪化していきます。
そして一度その階層までいくと、いったん症状が落ち着いても何かのきっかけがあれば、その階層までは簡単に落ちてしまうのです。
例えるなら、自転車と同じです。
子どもの頃一生懸命覚えた自転車の乗り方。
大人になって乗ることが少なくなっても、乗ろうと思えば乗れますよね。
それは身体が覚えているからです。
多少ブランクがあっても、乗れないことはないはずです。
統合失調症もそれと同じです。
多少ブランクがあっても、一度行った階層までは簡単にたどり着きます。
兄弟の主治医も仰っていました。
そして、いかに医療から切り離さないでいけるかが大事になってくる、とも仰っていました。
統合失調症の怖さは、ここにあります。
なぜなら、病識(病気だという自覚)のない患者は、勝手に薬を止め、もう大丈夫だからと病院にも行かなくなるからです。
口では病識のある風を装っていても、病識のある・なしは見ていれば分かります。
そして、薬を止めてしまうと何かのはずみで簡単に再発します。
再発した後は、『転げ落ちるように』という表現がしっくりくる程に、あっという間に前回よりひどくなります。
すぐに病院に行ければいいのですが、病識がない場合それも困難です。
統合失調症は、最初が一番手がつけやすいと感じます。
話が通じるし、運が良ければ説得にも応じてくれます。
しかし、何度か入退院を繰り返した後では、それも難しくなってきます。
(ただ、病院を変えて病識を持った後に話を聞くと、異様にイヤがるのは病院の対応の問題だったとも感じました。)
段々と話が通じなくなってくるし、暴力的になってきます。
常識的に物事を考えたり行動ができなくなり、人に迷惑をかけます。
本人的には筋が通っている事なので、説得しても話が通じません。
そのくせ、隠したりウソをついたり、こちらの知らないうちに物事を遂行するのはうまくなっていきます。
『あなたが正常であると、病院で証明しよう!』といっても聞き入れてはくれません。
家族はより一層監視します。
監視されれば、一層反発します。
悪循環におちいる前の、話が通じる段階で『いい医者(いい医療機関)』につながることが大事です。
わたしたちは、そこに辿るつくまでたくさんの時間がかかりました。
人様にも迷惑をかけました。
早い段階で『いい医者(いい医療機関)』につなげることは非常に大切です。
統合失調症は、家族の粗や綻びをあらわにします。
どう対処するのか?両親は協力し合えるのか?兄弟との距離はどうか?
その様は、『私たちがこれまで歩んできた、家族としての在り方や絆』の答え合わせを見ているようでした。
統合失調症になる人はどんな人?
どんな人が統合失調症にかかるのか?
その傾向も、厚生労働省のこちらのページが詳しいです。
わたしの家族の話でいえば、本人の持っているもの(遺伝)+家庭環境によるところが大きいと感じます。
家族で話していての共通認識で、父自身も認めているところなのですが、父も人の心が分からないところがあります。
なので、その遺伝といえばそうかもしれませんが、兄弟は幼いころからちょっと変わっていました。
勉強はできなくないけど、ちょっと変わっている。
芸術や専門分野などで大成すればいいな、と思う子でした。
何か病名がついたことはないけれど、あまり人の気持ちを考えるのが得意ではなく、こうと決めたら意地になるところがありました。
そういった、本人のもっているもの(遺伝)と、あまり良好でなかった思春期の家族関係の影響が、今の兄弟を形成したのだと思います。
ただ、この世に100%の健常者などいません。
人間は不完全な生き物です。
誰だって大なり小なり、持っているものはあります。
怒りっぽかったり、おっとりしすぎていたり、記憶力が低かったり、人の顔色ばかり見ていたり、人の心に疎かったり。
ある程度の『普通』のラインを超えると病名がつきますが、その病名をつけているのもまた人間なのです。
どんな人が統合失調症にかかるのか?の問いにはある程度答えがあります。
しかし鬱や風邪と同じで、誰でもかかり得る病気だとも言えるのではないでしょうか。
誰の身にも起こり得ることです。
『よく分からないから怖い』、『危険だから家でちゃんと見ててほしい』とかではなく、社会全体が私事として受け止めてほしいと思います。
統合失調症は、100人に1人の割合でかかると言われている精神疾患です。
他人事ではありません。
そしてそのまま放置していると、周りも本人も不幸になる可能性の高い、とても厄介な病気です。
家族だけで対応するのは限界があります。
『みんなで助け合おう』という気はないですが、世間や社会の理解は必要不可欠なのです。
『みんな違って、みんな良い』
そんな、自分にも他人にも優しい社会であってほしいと、家族が統合失調症になって強く思いました。
今回はここまで。
次は、家族がすべき対応や、家族で対応できない現状などを書いていこうと思います。
続き▶【統合失調症】家族ができる対応と限界、家族として願うこと

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